2024/09/13 00:00
室町時代より400年以上の歴史を持つ有田地域のみかん栽培。
日本で初めて、みかん栽培で生計を立てられるまで技術を発達させ、持続可能な開発を可能にし、有田地域を
日本一のみかん産地に発展させた持続的農業システム「有田みかんシステム」が、令和2年、日本農業遺産に認定されました。
その持続可能な農業システムで日本のみかん産業を牽引してきた有田地域について調べてみました。
1 「有田みかん」ブランドを確立してきた多様性に富んだ地勢・地質
東西約42㎞・南北約12㎞に広がる有田地域は、中央を東西に有田川が流れ、その有田川沿いに分布する【秩父帯】を挟んで
北に【三波川帯】、南に【四万十帯】と大きく三つのエリアに区分され、それぞれ違った地質を持っています。
・日当たりの良さによる果皮の着色の良さ、十分な成熟で糖度を高める特性に適した土壌の【三波川帯】
・適度な水分保持力と“紅の濃さ”を生む鉄や亜鉛などの微量要素の豊富さが強みの【秩父帯】
・減酸の早さと昼夜の大きな寒暖差による緑色の色抜けの早さを活かせる【四万十帯】
地勢でみると、西側は紀伊水道に面した【海岸部・河口部】、東側は標高200~300mの山々の間を
有田川が流れる【内陸部】に分かれ、有田川沿いの【平坦地】とその両側の【傾斜地】が連なり、
その両岸も北向き、南向きと日当たりが異なります。
平地が少なく、田畑としては不利な地形を乗り越え、様々な地勢・地質の組み合わせは多様性に富んでいます。
北向き斜面から南向き斜面へと続いて収穫期が分散し、リレー出荷が可能となっています。
また、江戸時代から変わらない石積みの階段園は雨水の流速を低減、斜面崩壊に対する柔軟性を
向上させると共に、高い排水性により果実糖度を上昇させています。
江戸時代から現代に至るまで守り続けてきた「最高品質のみかんを生み出すため」の持続可能な土地利用の姿といえます。
このように、有田地域では長年をかけて自然に働きかけ、地域全体に産地を形成し、
その特性に応じた栽培で高品質なみかんの生産に成功しました。
先人達の営みの歴史を物語る「有田みかん」の独自のブランドを確立しました。
2 高い観察力による優良品種の探索と農家自身の苗木生産で自立性の高い産地へ
有田地域では、長年のみかん栽培で培った高い観察力により、わずかな変異を示す枝変わり・一樹変異を見出し、
数多くの優良品種を生み出しているほか、多様性も向上し、品種のバリエーションを高めてきました。
また、多くの産地が地域外の専門業者から苗木を購入しますが、有田地域では一部のみかん農家自身が
産地内で苗木を生産しています。気象災害などによる全国的な苗木不足に左右されず、
他産地に依存しない自立的な生産性を安定保持でき、農家のニーズに応える高品質な苗木の生産にも
繋がっています。
多くの産地では一年生苗木を生産、輸送コストを低減するため土を落として出荷する中、
有田地域では十分に生育した二年生苗木を根に土をつけたまま出荷し、
水不足となりやすい階段園における安定した初期生育を確保、他産地と大きな差別化に成功しています。
400年以上も先人たちが培ってきた豊かな土壌と進化させ続けてきた技術によって、日本一のみかんの生産を誇る有田地域。
その中でも特に土にこだわり、自然の恩恵を最大に生かした栽培方法で「奇跡の糖度」を実現した中嶋さんのみかんは、
一度食べたら忘れられない美味しさです。
皆様のご注文、楽しみにお待ちしております。