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2024/01/26 09:00

2022年、「食の和・人の和」プロジェクト推進母体である平林金属株式会社は、SDGsの目標1である「貧困をなくそう」への達成に貢献する取り組みを実践すべく、アムダマインズ社会開発機構、グループ企業の葉豆瑠農園株式会社と共にコーヒー栽培を通じたネパール・カブレバランチョウク郡の農家の収入向上を援ける力になりたいと、新規就農農家に栽培指導を行うなど、産業化への第一歩を支える事業を始めました。
ネパールはアジアの最貧国と言われています。成人一人の平均年収(GDPper Capita:一人当たりの国内総生産)は1,028米ドル(2021年)。日本円で年収約15万円にとどまっています。
国民の70%が農業に従事していますが、GDPにおける農業収入は30%に満たない状況です。これはどういうことなのかというと、農業が現金収入につながっていない、つまり、農業従事者のほとんどが昔ながらの自給自足の農業を強いられている、ということです。だから観光収入や出稼ぎで外貨を稼ぐしかありません。

現在、年間約30万人の、特に若い労働力が海外に流出しています。その出稼ぎ先は主に、中東、東南アジア、それから隣接するインドです。ネパールはインドと中国という大国に挟まれた内陸国で、自国の開発を、両国はじめ諸外国からの経済援助に依存してきました。これでは、国内の産業が育つ術もありません。


ネパールは皆大家族です。大家族なのに、一緒に暮らせないでいます。生活のため、若い労働者が海外に出稼ぎに出てしまうからです。
そして悲しいことに、毎年1,000人が遺体となって帰ってきます。例えば、新婚でお腹に赤ちゃんがいる女性が、出稼ぎに行った夫を失って生涯の未亡人になってしまった話などは、よく耳にするそうです。
海外出稼ぎ労働者からの送金や観光業に依存する社会経済は、コロナ禍が大きな障害となり、その影響としわ寄せは社会的に弱い立場にある人(貧困層、こども、女性、少数民族や低カースト層ら)へ及んでいきます。経済面はもちろん、健康面でも誰一人取り残されない、きめ細やかな支援が必要とされています。


ネパール国内でお金を稼ぐ手段、働き口があれば、家族がバラバラにならず一緒に暮らせる。それが皆の一番の願いです。
それを叶える糸口が、「コーヒー栽培」にあります。
コーヒーの栽培は、国の発展をけん引する産業のひとつとなりうる、希望の光なのです。

今回取り扱いをさせていただくコーヒーが、このネパールの人たちが育てたコーヒーです。
これから数回に分けて、コーヒー農園「ラマ・オーガニック」、アムダマインズ社会開発機構についてご紹介していきます。


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